
レースの帽子とピンクのリボンを付けた老婦人の肖像
作品情報
ストーリー
1848年の秋、皇帝軍は革命派からウィーンを奪い返し、その後の数年間、街は戒厳状態に置かれた。この肖像には1849年の年記があるが、そうした時代の空気は画面に少しも入り込んでいない。ベルヴェデーレの学芸員によれば、革命が当時の絵画に跡を残したのは出来事そのものを描いた作品だけで、技法や構図には及ばなかった。アイブルが心を注いだのは、年配の女性の帽子である。幾重にもなったクリーム色のレース、両脇に寄せたピンクのリボン、そしてあごの下で大きく結ばれた蝶結び。緑の絹のドレスにはレースの襟が広がり、肩からは赤いショールがすべり落ちている。右下の署名の横には、年記が849と略して記されている。対になる男性の肖像は、その翌年の年記をもつ。



