
Lorenzo Lotto · PD
手袋をした老人の肖像
作品情報
ストーリー
ロレンツォ・ロットがこの老人を描いたのは1543年ごろ、トレヴィーゾに移ったばかりで、暮らし向きの苦しい時期だった。彼は依頼主を書きとめる出納帳をつけており、その数年にはいくつもの名が現れる。リベラーレ・ダ・ピネデルなる人物、マントヴァのマルチェロ・フランベルティ、ルドヴィーコ・アヴォランテ。だが、どれもこの顔とはぴたりと合わず、いまも誰を描いたのか分かっていない。ロットが確かに残したのは、ひとつの気分だ。年老いた男が疲れた、どこか物憂げな眼差しをして、身分のしるしである手袋を手に握っている。彼の肖像画のなかでも高く評価される一点である。1859年、この絵はブレラ絵画館に入った。




