
I, Sailko · CC-BY-SA-3.0
聖ブラシウス
作品情報
ストーリー
17世紀の1630年代、セビリアはアメリカ大陸の富がスペインへ入る唯一の港として栄え、スルバランの工房は修道院や教会からの注文で手いっぱいだった。この縦長で幅の狭い聖ブラシウスの画布は、もともと一枚で掛けるために描かれたものではない。その形が語っている。大きな祭壇画の中で、ほかの聖人たちと横に並ぶ一体だったのだ。ブラシウスはアルメニアの司教で、言い伝えでは羊毛をすく鉄の櫛で拷問されたという。そのため羊毛梳きの職人の守護聖人となり、また魚の骨を喉に詰まらせた子どもを救ったことから、喉を患う人々にも祈られてきた。スルバランは彼を、ほかのすべての聖人と同じ厳かな静けさと重い衣で描き、暗がりの中で一本の蝋燭に照らし出されたように浮かび上がらせている。




