
ウミウチワ、石サンゴと貝殻
作品情報
ストーリー
1771年のサロンに出品されたとき、この絵は対作品とともに、ヴァレイエの果物や花の絵とは別に、博物学の作品として並べられた。当時のパリの富裕層は、貝殻やサンゴ、鉱物を集めた陳列室を持ち、分類し、ラベルを付け、高値で買い求めていた。彼女が描いたのは、まさにそうした収集品である。暗い地を背に、枯れ葉のような淡いウミウチワが広がり、そのあいだに赤いサンゴの枝が伸びる。石の棚には大きな桃色のピンクガイ、真珠層の光る貝、ムラサキイガイ、ホタテガイ、とげだらけのアッキガイが並ぶ。
題名に残るリトファイトという古い言葉は、石の植物という意味だ。サンゴは何世紀ものあいだ、石に固まる植物だと考えられており、小さな動物がつくるものだと博物学者たちが認めたのは、ようやく18世紀半ばごろのことだった。
王族の一員で大コレクターだったコンティ公ルイ・フランソワ・ド・ブルボンが、1776年1月に画家からこの絵を買った。鉱物や結晶、ガラス瓶を描いた対作品も一緒だった。公はその夏に亡くなり、2点は1777年に彼のコレクションとともに売られた。対作品はいまは失われている。この絵は1992年12月、パリの競売でルーヴルが購入した。


