
マドリガーレを持つ自画像
作品情報
ストーリー
チェンバロに向かう若い女性が手にしているのは、実在する一曲だ。開かれた楽譜は1533年にヴェネツィアで刊行されたマドリガーレ曲集の24ページで、曲はヴェルドロの「Madonna per voi ardo」、「わが君よ、あなたゆえに私は燃える」である。片手は鍵盤に、もう一方の手は楽譜に添えられ、斜めの視線が、鏡を前にして描いたことを物語る。描いたのはマリエッタ・ロブスティ、ヴェネツィアの画家ティントレットの娘で、存命中から「ラ・ティントレッタ」と呼ばれた。同時代の人々は絵画と音楽という二つの才を彼女に認めた。彼女はどちらかを選ぶのではなく、一枚の絵に両方を収めている。この画布は1675年に枢機卿レオポルド・デ・メディチが購入し、そうしてフィレンツェへ渡った。