
葬送の食卓に着くパカレシとイセトのステラ
作品情報
ストーリー
第18王朝の初め、北部を支配していた異国の王たちヒクソスをエジプトが追い出してから数世代のころ、パカレシとイセトという夫婦がこの小さな石灰岩のステラを彫らせた。そこには、二人が永遠にそうありたいと願った姿が刻まれている。パンや食べ物を山と盛った卓をはさんで向かい合って座り、その上には供物を願う祈りの文が記されている。
家の女主人イセトは長いかつらをつけ、蓮の花を顔に寄せて香りを吸い込んでいる。蓮は夜に閉じて朝の日差しの中でふたたび開く花で、エジプト人はその香りを再生と結びつけた。夫のパカレシは、男性の通例どおり濃い赤で塗られ、水差しを手にしている。妻の獅子脚の椅子の下を見てほしい。鏡と、目のふちを黒く彩るコールを入れる小さな容器が置かれている。永遠の世界まで身近に携えていく、彼女自身の化粧道具である。
上部の丸い部分からは、二つの大きなホルスの目が夫婦を見下ろしている。このステラは1887年にルーヴルに寄贈され、2002年には古代エジプトの香料と化粧品をテーマにした展覧会のためマルセイユへ旅した。




