
金魚鉢のある静物
作品情報
ストーリー
1809年、フランス軍は四年のうちに二度目となるウィーン占領を果たし、ナポレオンはシェーンブルン宮殿に司令部を置いた。クナップが1808年からその宮殿のオランダ庭園で異国の植物を描いていたことを思えば、戦争は彼のすぐそばにあった。翌年に署名と年記を入れたこの絵には、しかしその気配はまったくない。石の棚の上には金魚の泳ぐガラスの鉢が置かれ、バラや縞模様のチューリップ、青いデルフィニウムがそれを囲む。その下では籐のかごが倒れ、ブドウや桃、洋梨がこぼれ出ている。かごの縁には緑のオウムがとまり、耳の黒い白ウサギが落ちたスモモのにおいを嗅いでいる。春の花と秋の果物、それに紫キャベツが並ぶのは、描かれた花束だからこそできる組み合わせである。署名と年記は右下の床石に見える。