
Rembrandt, The Anatomy Lesson of Dr. Nicolaes Tulp, 1632. Wikimedia Commons. · PD
テュルプ博士の解剖学講義
音声ガイド
作品情報
ストーリー
1632年1月、アムステルダムの外科医組合は、年に一度だけ許された公開解剖のために、その朝に絞首刑となった一人の遺体を用意した。強盗の罪で処刑された、アーリス・キントという男である。組合の解剖官ニコラス・テュルプ博士は、切り開いた左腕の腱を鉗子でつまみ、指がどう動くかを解説していく。この集団肖像画を任されたのは、当時26歳でアムステルダムに出てきたばかりのレンブラントだった。彼は居並ぶ医師たちを横一列に並べる従来のやり方を退け、テュルプの言葉に身を乗り出す者、標本を見つめる者と、視線と姿勢に差をつけて、一つの張りつめた瞬間にまとめ上げた。手前で光を受ける青白い遺体が、画面全体を静かに支配している。この一作で若きレンブラントの名はたちまち知れ渡った。開かれた腕の傍らには、当時の解剖書を思わせる大きな書物が描き込まれている。




