
ハガルとイシュマエルの前に現れる天使
作品情報
ストーリー
ハガルのつば広の帽子には意味がある。ヨーロッパの人々は何百年ものあいだ、ロマの人々はエジプトから来たと信じており、英語で彼らを指す古い呼び名もそこから生まれた。そのため画家たちは、聖書に登場するエジプトの女性に、ロマの女性を思わせる帽子をかぶせることが多かった。ハガルはエジプト出身の女奴隷で、アブラハムに息子イシュマエルを産んだのち、子どもとともに荒れ野へ追われた。ここでは水が尽きている。イシュマエルは遠くで力尽きて横たわり、そばには空の水入れがある。そこへ天使が飛び込んできて天を指さし、この子は大いなる国民の祖となると告げる。アッセレートはこの絵を1640年ごろジェノヴァで描いた。人物は画面の縁で大胆に断ち切られ、色は茶と赤の数色に抑えられている。彼は若いころにも同じ場面を描いており、その作品は今ジェノヴァのパラッツォ・ロッソにある。