
Daderot · PD
コロッセオ
作品情報
ストーリー
コロッセオの上端、中央からやや左に目を向けると、細い木の十字架が三本立っているのがわかる。教皇クレメンス11世の意を受けて、カルメル会の修道士アンジェロ・パオリが立てたものかもしれない。かつて剣闘士が戦った円形闘技場は、この頃少しずつキリスト教の聖地へと変わりつつあり、1750年には十字架の道行きの場として聖別された。カナレットは、クレメンス11世の命でれんがでふさがれた最下層のアーチや、西側の入口の上に描かれた磔刑図など、教皇による手入れの跡も丁寧に写している。もとになったのは、1719年か1720年に自らローマを訪れた際の素描で、画家は長い年月を経てそれを再び取り上げた。研究者は長く、カナレット本人か甥のベルナルド・ベロットかで揺れてきたが、現在は多くがカナレットの手と認めている。石の間から伸びる草木も当時の姿そのままだ。1815年には、ローマの医師がこの遺跡に自生する植物の一覧を出版している。




