
版画愛好家(アエギディウス・ティンメルマン博士)
作品情報
ストーリー
この肖像の男は、オランダの古典文献学者にして文筆家、そして画家の友人でもあったエギディウス・ティンマーマンである。彼は何より愛したこと、すなわち版画を眺めることに没頭している。手にしているものをよく見てほしい。フランスのアンリ・ド・トゥールーズ゠ロートレックによる色刷りのリトグラフを、一本の線も逃すまいと顔のすぐ近くまで引き寄せている。トーロップは1898年から1900年にかけて、繊細な点描でこれを描いた。柔らかなパステルの色調による無数の小さな点。そのため収集家も、彼の愛する一枚も、同じ揺らめく粒からできている。彼がこれほど熱心に見入るロートレックの版画は、当時まだ生まれたばかりの、その時代の最も新しい芸術であり、それが献身的な愛好家の手のなかにある。




