
クマエのシビュラとプット
作品情報
ストーリー
この絵は、注文主のもとへはついに届かなかった。1651年、チェゼーナのジュゼッペ・ロカテッリが、グエルチーノの《ダビデ王》と対にするために注文したものである。ところが発送の前に、トスカーナ大公の弟マッティアス・デ・メディチ公子が工房でこの絵を目にし、自分に売るよう画家を説き伏せた。ロカテッリには別の巫女が届けられ、その絵もいまこの同じ展示室に掛かっている。クマエの巫女はナポリ近郊の町クマエにちなむ名で、ベツレヘムの馬小屋でのキリストの誕生を予言したとされた。プットーが支える石板のラテン語は、神がその上に身を横たえた祝福された木、つまり十字架をたたえている。画面全体の温かみは、絵の具の下に塗られたオレンジがかった茶色の下地から来ており、そこにマントや髪帯、空の青が差し色として効いている。美術史家デニス・マーンが1954年にこの絵を購入し、2011年にナショナル・ギャラリーが取得した。




