
Edgar Degas · PD
エフタの娘
作品情報
ストーリー
1859年、20代半ばのドガはイタリアでの三年余りの修業を終えてパリに戻り、自分のアトリエを借りた。当時の画家にとって、出世の道は歴史画だった。聖書や古代史の場面を大画面に描き、サロンで認められる。若いドガも本気でその道を目指していて、この絵はそのために取りかかった数点のうちの一つになる。
選んだのは旧約聖書の士師記の一節だ。イスラエルの指揮官エフタは、戦に勝てたら帰還して最初に迎えに出た者を神に捧げると誓う。出てきたのは、太鼓を打ち鳴らして踊る彼のひとり娘だった。ドガが描いたのは、馬上の父がそれを認めた瞬間である。
画布は横がおよそ3メートルあり、彼が生涯に描いた中でいちばん大きい。それでいてサロンに出されることはなく、完成と言い切れない状態のまま残された。数年のうちに彼は歴史画から離れ、同時代のパリの人々を描くようになるが、この画布は手元に置いたままだった。1917年に彼が没したあと、アトリエの売立に出されている。




