
チューリヒ湖
作品情報
ストーリー
この絵は長いあいだ、イタリア中部のトラジメーノ湖を描いたものと思われていた。そう見誤るのも無理はない。ヤン・ハッカールトは、同時代のオランダの画家たちがイタリアの風景に用いた暖かな金色の光でこれを描いており、彼自身がイタリアへ行ったかどうかもはっきりしないからだ。実際の場所はスイスである。二つの山並みのあいだに広がるのはチューリヒ湖と、その上流側の湖であるオーバーゼーで、ハッカールトは1660年ごろ、チューリヒ近郊で描いた素描をもとにこのパノラマを組み立てた。アムステルダム国立美術館は、これをアルプスを地誌的に描いた最も早い絵画のひとつに数えている。
1897年6月、国内の美術館に作品を留めるための資金を集めるオランダの団体レンブラント協会が、アムステルダムでのデ・クレルク・コレクションの売り立てでこの絵を購入し、1898年1月に国立美術館が協会から取得した。