
William-Adolphe Bouguereau · PD
春の帰還
作品情報
ストーリー
1890年、アメリカ中西部の町オマハの画廊で、ひとりの青年が椅子を振り上げ、一枚の絵に叩きつけました。ブグロー作《春の訪れ》です。春を擬人化した裸の女性に、無数の小さなキューピッドがまとわりつく絵でした。青年は、この絵を消し去るためなら牢に入ってもいいと言い放ったと伝えられます。画面は破れましたが、館側は破れた絵を凶器の椅子ごと並べ、入場料を取って修理代の足しにしたといいます。ブグローはパリのサロンで絶大な人気を誇った画家で、なめらかな肌の質感と甘美な神話世界を得意としました。裸体は古代ギリシャ以来の正統な主題でしたが、新興の町ではそれが激しい反発を呼んだのです。絵はいまもオマハのジョスリン美術館にあります。




