
Gabriel Metsu · PD
病気の子供
作品情報
ストーリー
メツーがこの小さな場面をアムステルダムで描いたのは1660年ごろ、この街が最後の大きなペストに襲われる数年前のことである。その流行は住民のおよそ十人に一人を奪った。母親は病んでぐったりした子どもを膝に抱いている。その姿は、キリストの亡骸を抱く聖母の古い図像をわざと踏まえ、ありふれた病室により深い悲しみの響きを添えている。子どもの黄色い服と母の赤いスカートが、灰色の部屋のなかで鮮やかに際立つ。壁には十字架のキリストを描いた小さな絵が掛かり、下で繰り広げられる苦しみに静かに和している。


