
Gilbert Stuart · PD
スケートをする人
作品情報
ストーリー
1782年、ギルバート・スチュアートはロンドンでまだ無名の画家だった。ベンジャミン・ウェストのもとで腕を磨こうと海を渡ってきたアメリカ人であり、その故国では独立をもたらすことになる戦争が続いていた。若いスコットランド人ウィリアム・グラントが肖像画のために訪ねてきて、今日はじっと座るには寒すぎる、むしろスケート日和だと口にした。そこで二人はハイドパークの凍ったサーペンタイン池へ出かけ、グラントの滑走は感嘆する人だかりを呼んだ。スチュアートはその制作の場そのものを絵にした。腕を組み、落ち着いて背筋を伸ばしたグラントが、氷の上を滑っていく姿である。スケートをする男を描いた全身像など、ロイヤル・アカデミーではそれまで見たことがなく、この一枚はスチュアートを一気にレノルズやゲインズバラと並ぶ位置へ押し上げた。のちに彼は、たった一枚の絵が突然自分を有名にしたのだと語っている。

