
Édouard Manet · PD
汽船、イルカのいる海景
作品情報
ストーリー
1860年代のブローニュ=シュル=メールは、イギリスへ向かう船が毎日出ていく港町だった。マネは夏をそこで過ごし、フォークストン行きの定期船が煙を吐いて離れていく光景を何度も描いている。この小さな海景でも、画面の奥に置かれているのは新しい蒸気船である。手前を横切るのは帆を張った船と、波間に背を見せるイルカの群れで、イルカは古代の器やモザイクから続く、海を示すための古い決まりごとのようなモチーフだった。海は速い筆で一気に塗られ、細部はほとんど残っていない。制作年は長く1864年のブローニュ滞在と結びつけて考えられてきたが、1868年のスケッチブックに残る水彩が、この絵をその夏のものと見る根拠になっている。




