
Jean-Honoré Fragonard / Marguerite Gérard · PD
盗まれた接吻
作品情報
ストーリー
1775年に母を亡くしたマルグリット・ジェラールは、パリのルーヴルに住む義兄ジャン=オノレ・フラゴナールのもとに身を寄せ、そこで絵を学んだ。この《盗まれた接吻》は、扉の陰でそっと口づけを交わす若い女性を描いている。隣室には人々が集まっており、彼女は振り返りながら、光沢のあるサテンのドレスを翻す。その絹の質感は、まるでオランダの細密画のように一筋ずつ描き込まれている。作者が誰かは長く議論されてきた。フラゴナールの手によるものか、弟子のジェラールか、あるいは二人の共作か。今日エルミタージュはこの絵を彼女の名で、あるいは二人の合作として扱っている。描かれたのは革命が始まる数年前の1780年代で、宮廷や富裕層はなおこうした甘美な室内画を好んでいた。