
聖母子と十人の聖人
作品情報
ストーリー
1360年代、アンドレア・ディ・ボナイウートは、フィレンツェのドミニコ会の大聖堂であり自分の所属教区でもあったサンタ・マリア・ノヴェッラで仕事をしていました。高さわずか28センチのこの横長の板絵は、実はその聖堂の見取り図のようなものです。近年の研究で、ここに描かれた聖人はそれぞれ14世紀のサンタ・マリア・ノヴェッラ東端に自分の礼拝堂を持っており、中央祭壇の両側に並ぶ礼拝堂と同じ順番で配置されていることがわかりました。黒いマントのドミニコ会士が三人いて、その一人トマス・アクィナスは手のひらから放つ光で小さな教会を照らしています。マルコ、ルカ、ヨハネはそれぞれの象徴の動物を伴っていますが、マタイの姿はありません。彼に捧げた礼拝堂がなかったからです。端には1170年に殺害されたカンタベリー大司教トマス・ベケットが立っています。額縁は制作当時のもので、アーチの間には宝石に見立てたガラス玉がはめ込まれています。
