
Mårten Eskil Winge · PD
巨人と戦うトール
作品情報
ストーリー
1870年ごろ、スウェーデンとその北欧の隣国では、古い北欧の神々を英雄的な祖先として取り戻そうとする気運が高まっていた。多くの北欧の画家がこの時期にアース神族を描き始め、モールテン・エスキル・ヴィンゲもその一人だった。高さ五メートル近いこの油彩では、雷神トールが二頭の山羊が引く戦車の上に立ち、力の帯を腰に締め、稲妻をまとった鎚ミョルニルを、足もとで崩れ落ちる巨人たちへ振り下ろしている。1872年にストックホルムの国立美術館で初めて公開されると、北欧神話への関心が高まるなか、観客に大いに歓迎された。ヴィンゲは幼いころから古いアイスランドのサガに親しんでいた。戦車を引く二頭の山羊は神話のなかで名前を持ち、タングリスニルとタングニョーストという。トールは夜になると彼らを食べ、翌朝ふたたび生き返らせるのだと語り伝えられている。