
医者を訪ねて
作品情報
ストーリー
医者はガラスのフラスコを窓の光にかざし、中身をじっと見ている。それは尿で、ヘンドリック・ヘールスホップがこの板絵を描いた1668年には、その色や濁りぐあいを見ることが、医者が病を見立てる方法のひとつとしてまだ行われていた。病人本人は部屋にいない。医者のかたわらに立つ老女が検体を持ってきたのであり、当時はよくあることだった。
一方で、この検尿はすでにお決まりの笑いの種でもあった。オランダの画家や喜劇作者は、フラスコから妊娠まで何でも読み取れると称する「ピスカイケル」、つまり尿のぞき屋をからかった。ヘールスホップは画面下方中央の本のページに、HEERSCHOP、1668と署名と年記を入れている。作品はマウリッツハイス美術館の所蔵で、ウィレム5世ギャラリーに掛かっている。1778年にアムステルダムで売られたときには対になる絵があり、二点とも同じ買い手、画商ピーテル・フーケのものになった。