
葬送場面の神官を描いた壁画断片
作品情報
ストーリー
この男性は埋葬のさなかの姿で描かれています。襞のある腰布の上にヒョウの毛皮をまとっているのは、墓の前で最後の儀式を執り行ったセム神官の装束です。その儀式のひとつが「口開けの儀式」で、死者に息と感覚を取り戻させ、来世で生きられるようにするためのものでした。この役は死者の長男が務めることもよくありました。神官は巻き毛のかつらに短いあごひげをつけ、そばにはかつて場面に添えられていた銘文のヒエログリフが残っています。断片はテーベの王墓造営者の村デイル・エル=メディーナの墓から来たもので、様式からセティ1世やラメセス2世の時代、第19王朝のものとされています。1997年9月に競売に現れ、ルーヴル美術館はフランス電力公社EDFの支援を得て購入しました。翌年にはパリにある同社の展示スペースで、エジプト学の歴史をたどる展覧会に出品されています。




