
Vincent van Gogh, Wheatfield with Crows, 1890. Wikimedia Commons. · PD
カラスのいる麦畑
音声ガイド
作品情報
ストーリー
1890年7月、フィンセント・ファン・ゴッホはパリ近郊の村オーヴェル=シュル=オワーズで、金色の麦畑の上に黒いカラスが舞い、三方へ道が分かれていくこの横長の画面を描いた。低く垂れこめた青い空と燃えるような麦のぶつかり合いが、しばしば画家の絶望の予兆として語られてきた。この絵をゴッホ最後の作品とみなす伝説は根強い。だが弟テオ宛の手紙などから、実際には7月上旬に描かれ、そのあとにも別の作品が続いたことがわかっている。ゴッホがみずから命を絶ったのは、その月の末である。彼はこの時期の広い麦畑について、悲しみと極度の孤独を表そうとしたと同時に、田舎の力強さと滋養も感じてほしいとテオに書き送っている。手前で三つに分かれる道は、どれも画面の外へと消え、行き先を見せないまま途切れている。




