トキを抱く若い女性

Edgar Degas · PD

トキを抱く若い女性


作品情報

アーティスト
エドガー・ドガ
制作年
1860
技法
油彩・キャンバス
種類
絵画
寸法
100 × 74.9 cm

ストーリー

ドガがこの構図を最初に描きとめたのは、1857年、ローマの手帖の中でした。そこにいたのは物思いにふける若い女性で、まだ何ひとつ異国めいたところはありません。当時のドガは二十歳そこそこで、イタリアで巨匠たちを模写する日々がまだ先に控えており、彼の名を高めるあの踊り子たちまでには何十年もありました。不思議さが加わったのは、後のことです。1860年ごろ、彼はもう一度この画布に手を入れ、いま私たちの視線を引きとめるものを描き加えました。彼女の背後にかすむ東方の街、桃色の花の枝、そしてかたわらに佇む二羽の赤いトキです。東方への憧れはこの時期のフランス絵画全体を流れており、ふだんは抑制のきいたドガも、この一枚だけはそれに身を委ねました。女性そのものがほとんど変わっていないことに気づきます。その姿勢と遠くを見るまなざしは、いまなお最初の静かな下絵のものです。鳥と遠い塔は、すでに描き上がっていた肖像のまわりに、後から加えられました。

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