
ストーリー
セビリアのサンタ・クルス地区、飾り気のない白い壁の奥に、老人たちのために造られた中庭があります。オスピタル・デ・ロス・ベネラブレスは1675年、セビリア大聖堂の参事会員で画家ムリーリョの親友でもあったフスティノ・デ・ネベが、年老いた貧しい司祭たちの住まいとして創設しました。付属の教会はいまも見学でき、その壁と天井はフアン・デ・バルデス・レアルと息子ルーカスの手で描かれています。
セビリアの文化財団で、のちに技術企業アベンゴアの支援を受けたフォクス財団が1980年代後半に建物を修復し、1991年にソフィア王妃を迎えて再び開かれました。2007年にはベラスケス・センターとして新たな役割を得ます。ベラスケスが1623年にマドリードの宮廷に移るまでの、故郷セビリアでの若い時代に焦点を当てた施設です。
その物語を支えるのが二枚の絵です。セビリア市から貸し出されている《聖イルデフォンソに上祭服を授ける聖母》は、彼のセビリア時代最後の数年の作品です。もう一枚の《聖ルフィナ》は、陶工の娘でローマ時代に殉教した、セビリアの二人の守護聖女の一人を描いたもの。財団が2007年に競売で約1240万ユーロで購入し、若きベラスケスに帰属する作品として登録されています。


