
ストーリー
カリブ海で最も優れたヨーロッパ絵画は、プエルトリコ南岸の小さな都市に掛かっており、その理由は一人の男にある。実業家で後に島の知事となったルイス・A・フェレは、自身のコレクションを核にポンセ美術館を築き、1965年、エドワード・ダレル・ストーン設計の建物で開館した。天井の隅から光を採り入れる特徴的な六角形の展示室を備えている。
誰もが目当てにする絵は、フレデリック・レイトンの《燃え立つ六月》だ。オレンジ色の布のきらめきの下で身を丸めて眠る女性を描いた、1895年の作品である。フェレはヴィクトリア朝美術が大いに時代遅れとされていた1960年代に、ささやかな額でこれを買った。以来この絵は世界で最も複製された絵画の一つになった。その周りにはラファエル前派とバロックの本格的なコレクションがある。
近年、建物が地震の修復のため閉鎖されていたあいだ、《燃え立つ六月》は海外の名だたる美術館を巡回した。そして今、彼女はこの絵を所有する小さな都市の、ストーンが設計した蜂の巣状の展示室にふたたび掛かっている。



