
アンリ・ジェルヴェックス
1852–1929 · フランス · アカデミック・アート, 写実主義, サロン絵画
ストーリー
1878年の春、パリのサロンの審査員団は、26歳のアンリ・ジェルヴェックスの一枚を、公衆の目に触れる前に外してしまった。その《ロラ》は、アルフレッド・ド・ミュッセの詩に取材している。賭博で何もかも失った青年が夜明けの窓辺に立ち、まさに命を絶とうとしている。その背後では、彼が最後の夜を共にした女、高級娼婦が、裸で寝台に眠っている。
サロンは裸体像であふれていたから、裸の体そのものが問題だったのではない。当局が下品とみなしたのは、画面下隅の小さく的確な細部だった。椅子に放り出された衣類の山、コルセットと脱ぎ捨てられたドレスが、この部屋でたった今何が起きたのかを紛れもなく告げていた。サロンから締め出されると、ジェルヴェックスは近くの画廊で《ロラ》を公開し、新聞はこの一件で埋め尽くされ、群衆が押し寄せた。落選がかえって彼を有名にした。
その後の長く安楽な生涯を、彼はパリ社交界と公式の式典を描く流行画家として過ごし、醜聞はとうに背後にあった。1929年に世を去った。


