恋人を演じる役者 佐野川市松と瀬川菊之丞

恋人を演じる役者 佐野川市松と瀬川菊之丞


作品情報

アーティスト
石川豊信
制作年
1755
技法
木版画

ストーリー

二人の人物が一本の傘を分け合う。18世紀の江戸の人々には、それだけで意味が通じました。一つの傘の下に寄り添う二人、相合傘は、恋人どうしを表す定番の型だったのです。ただし歌舞伎の舞台では、この恋人たちはともに男でした。瀬川菊之丞は女方、女性役を専門とする役者で、ここでは女を演じ、佐野川市松が男を受け持ちます。この一枚は紅摺絵で、多色摺りが現れる少し前に作られたため、色は黒い輪郭線の上にのせた淡い紅と緑に限られています。市松はそれ自体が人気役者で、舞台で身につけた四角を交互に並べた格子模様は、今も日本語で彼の名を取って市松と呼ばれています。

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