
George Frederic Watts · PD
洪水の後
作品情報
ストーリー
イギリスの画家ワッツがこの絵で描いたのは、旧約聖書の大洪水がようやく引いたあとの空です。画面のほとんどを、雲を割ってあふれ出る太陽の光が占め、人の姿も陸地もほとんど見あたりません。ワッツはこの太陽を、洪水を鎮め、ふたたび世界に姿を現した神そのものとして思い描きました。物語の一場面を語るというより、光そのものに神の存在を感じさせようとしたのです。19世紀末のヨーロッパでは、目に見えるものの奥にある観念や感情を絵にしようとする象徴主義の動きが広がっており、この一枚もその流れのなかにあります。ワッツはこうした寓意画を売らずに手もとへ残し、今もイングランド南部コンプトンにある、彼の名を冠した美術館に収められています。
