
Titian · PD
受胎告知
作品情報
ストーリー
1560年代、70歳を超えたティツィアーノは、ヴェネツィアで晩年の奔放な画風に達していた。この《受胎告知》は、いまも当時と同じサン・サルヴァドール聖堂に掛かっている。大天使ガブリエルがマリアに神の子の受胎を告げる場面で、上方からは天使たちとともにまばゆい光が降りそそぐ。近くで見ると絵の具は荒々しく置かれ、輪郭は光のなかで溶けかけている。ティツィアーノはこの絵に、自分の名を「ティツィアヌス・フェキト」と二度続けて署名した。荒削りに見えるこの描き方こそ完成なのだと言いたげに、あえて「作れり、作れり」と繰り返したとも伝えられる。




