
John Singer Sargent · PD
アポロンとムーサたち
作品情報
ストーリー
1919年、ボストンの収集家でサージェントの親しい友人だったイザベラ・スチュワート・ガードナーは、脳卒中で歩けなくなりました。美術館のロタンダのドームにまだ足場が組まれていたころ、サージェントはそれでも彼女のために内覧の機会をつくります。車椅子を貨物用エレベーターで運び上げ、足場の上までは軽い椅子に乗せて彼女を運ばせ、作品を間近で見られるようにしたのです。これは、そのドームにはめ込まれた四枚の大きな楕円形のカンヴァスのひとつです。薄衣をまとった九人のムーサたちが、裸足で手をつなぎ、台座の上に立つアポロンのまわりを踊っています。アポロンは腰に竪琴を当て、右手を上げて、踊りの歩みを導いているかのようです。1922年の美術館の案内書は、二つの点に目を向けさせています。ムーサたちは、古代に彼女たちを見分ける目印だった仮面や巻物や天球儀を何ひとつ持たず、ただ動きのなかの少女たちの輪として描かれていること。そしてアポロンの髪が、ヴァチカンにある名高いローマの大理石像、ベルヴェデーレのアポロンと同じように頭頂で結い上げられ、頭の後ろに太陽を表す光の円盤が輝いていることです。




