
Paul Cézanne, Apples and Oranges, 1899. Wikimedia Commons. · PD
リンゴとオレンジ
作品情報
ストーリー
1899年、まもなく60歳になるセザンヌは、パリのアトリエで六点からなる静物画の連作に取り組んでいた。これはそのうちの一枚である。しわの寄った布の上に果物を並べ、何日もかけて見つめ続けた。印象派を、美術館の絵のように堅固で長く残るものにしたい、と彼は語っている。だからこの食卓はどこか成り立たない。二つの果物皿はそれぞれ違う角度から描かれ、右の皿は見る者のほうへ傾いている。リンゴとオレンジが転がり落ちないのは、色彩が、そして果物と同じほど画面を占める白い布のひだが、それらを支えているからだ。




