
James Ensor · PD
音楽院にて
作品情報
ストーリー
1880年代の終わり、ブリュッセルはワーグナー熱のただなかにあった。1887年にはモネ劇場が「ワルキューレ」をはじめてフランス語で上演している。アンソールはこの熱狂を容赦なく笑いものにした。舞台は王立音楽院。太ったソプラノ歌手が楽譜を手に声を張り上げているが、その譜面にはワルキューレの雄叫びをもじったフランス語の駄洒落が並ぶ。美術館は彼女を著名な声楽教師イダ・セルヴェとし、白いひげの指揮者は音楽院長フランソワ=オーギュスト・ゲヴァールトだと考えられている。頭上に掛かった肖像画の中ではワーグナー本人が耳をふさぎ、客席からは花束や猫、鴨、燻製ニシンまでが投げ込まれる。2009年、イヴ・サンローランとピエール・ベルジェのコレクションが競売にかけられた際、オルセー美術館は国の先買権を行使してこの作品を手に入れた。




