
James Ensor · CC0
アザレア
作品情報
ストーリー
1937年8月27日、アントワープ王立美術館の主任学芸員アルトゥール・コルネットは、自分が選んだ一枚を「あのすばらしいバラ色の交響曲」と書き留めた。寄贈したのはアントワープのダイヤモンド商でシオニストのオスカー・フィッシャーで、テルアビブへ移り住む前のことだった。描いたのはジェームズ・アンソールで、制作は1920年代。この頃アンソールは卓上の品々を真正面から描き、奥行きをほとんど感じさせない構図を何度か試している。中央の編みかごに盛られたピンクのアザレアは、花の静物を数多く描いた彼が、ただ一度だけ選んだ花である。右にはアロカシア、周りには貝殻やかご、オレンジの花模様が入った黄色いテーブルランナー、後ろ向きの小さな裸婦像。左上の隅には、約30年前の自作《慰めの聖母》が画中画として描き込まれている。




