
Paul Signac · PD
ジェノヴァ近郊のノーリ岬
作品情報
ストーリー
1898年ごろ、シニャックがジョルジュ・スーラとともに築いた運動は、その創始者を失っていた。スーラは七年前に若くして世を去り、シニャックは南へ移り、地中海の岸辺に居を定めた。ジェノヴァにほど近いイタリア・リヴィエラのこの岬は、純色を分けて置いた無数の筆触だけで仕上げられている。スーラが分割主義と呼び、多くの人が点描と呼ぶ手法である。ここで肝心なのは、実際の午後の印象ではない。シニャックはまずアトリエですべてを計算し、橙・紫・緑のモザイクを、色が画布の上ではなく目のなかで混ざるように釣り合わせた。この混ぜ合わせない色の粒は、彼の目算よりも遠くまで届いた。十年とたたぬうちに、フランスのフォーヴィスムやドイツの表現主義の画家たちが、それを用いて自らの画面を組み立てていた。




