
Paul Signac · PD
ヴェネツィア、大運河
作品情報
ストーリー
1904年、シニャックはヴェネツィアを訪れ、大運河の入り口を描いた。左には大きなドームを戴くサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、右には係留されたゴンドラが並ぶ。彼はジョルジュ・スーラとともに色彩の科学の上に築いた手法で描いている。純色の筆触を並べて置き、見る者の目のなかでそれらが混ざり合って光になる、という手法だ。だがこの頃のシニャックは、スーラの細かな点を手放し、モザイクの石片のように画布に載る、より大きな色塊へと移っていた。それはヴェネツィアでは偶然ではない。この街の古い聖堂はビザンティンのモザイクで輝いているのだから。こうした画布を、彼はたいてい水辺で描いた水彩や素描をもとに、アトリエに戻って仕上げた。




