
リシュリュー枢機卿の肖像
作品情報
ストーリー
当時のフランスでは、聖職者を全身立像で描くのは大胆な試みでした。シャンパーニュはあえてそれを選び、リシュリューを高位聖職者であると同時に政治家として見せています。背後の椅子は、国王の宰相という彼の地位を示しているのかもしれません。胸の十字架は制作時期を知る手がかりです。これはフランス最高位の騎士団である聖霊騎士団の記章で、枢機卿は1633年5月にこれを授けられました。つまり肖像はそれ以前には描かれえません。同じ年、彼はパリの西にあるリュエイユの城館を買い、庭園に多額の費用をかけました。左手のアーチ越しに見える手入れの行き届いた芝生と刈り込まれた木々は、その庭かもしれません。この構図には複数の作例があり、ナショナル・ギャラリーの図録は、1633年から1640年のあいだに描かれたこの絵を主要な作例とみなしています。




