
Vincent van Gogh, Chaumes de Cordeville, 1890. Wikimedia Commons. · PD
コルドヴィルの藁葺き小屋
作品情報
ストーリー
1890年5月、ゴッホはフランス南部を離れ、一年近く過ごしたサン=レミの療養院を出て、パリの北にある町オーヴェル=シュル=オワーズに移り住んだ。そこでは絵画を愛する医師ガシェが彼を見守り、ゴッホ自身は熱に浮かされたような速さで筆を進め、わずか二か月あまりで約70点の油彩を仕上げた。これもその一枚である。6月10日、彼は弟テオへの手紙に、田舎の家を二点、習作として描いていると記している。オーヴェル近くの小村コルドヴィルの藁葺きの農家は、すでに姿を消しつつある素朴な暮らしのかたちで、オランダの田舎で過ごした頃から彼が親しんできたものだった。彼の筆にかかると、藁葺きの屋根はうねり、木の枝は渦を巻いて空へ伸びていく。この屋根を描いてから数週間後、7月の末に彼は世を去った。




