十字架を担うキリスト

十字架を担うキリスト


作品情報

制作年
1533
技法
油彩

ストーリー

このパネルが描かれた1530年頃、アントウェルペンはヨーロッパでもっとも活発な美術市場になっており、十字架を担うキリストの場面は工房が提供できる主題のなかでもとりわけ需要の高いものだった。ピーテル・クック・ファン・アールストは市内でも大きな工房のひとつを率い、こうした構図は一点かぎりではなく、家庭で祈るための受難の画像を求める個人の買い手のために、繰り返し制作された。画面はゴルゴタへの道を人物でびっしりと埋め尽くし、十字架の重みに沈み込むキリストは、取り囲む群衆のなかにほとんど紛れてしまう。この密度こそが魅力の一部で、目でたどるものが多く、見つめるべき顔がいくつもあった。高さ1メートルあまりの木のパネルに油彩で描かれたこの作品は、教会ではなく部屋のなかで、間近に眺められることを想定していた。

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