
Ivan Kramskoi · PD
荒野のキリスト
作品情報
ストーリー
1870年代のロシアでは、若い画家たちがアカデミーを離れ、民衆の現実を描こうとしていた。その運動の中心にいたクラムスコイが1872年に発表したのが、この「荒野のキリスト」である。40日の断食のさなか、キリストは夜明けの冷たい岩の上に座り、両手を固く握りしめて動かない。ここに描かれているのは、ひとりの人間が下すべき決断の重さだ。クラムスコイ自身、これはキリストだけの姿ではなく、理想のために自らを犠牲にすべきかどうか苦しむ、あらゆる人の姿だと語っている。灰色の荒野に、夜明けの最初の光がわずかに差しはじめている。




