
天使に囲まれた死せるキリスト
作品情報
ストーリー
死せるキリストを一人の天使が肩のところで抱き支え、ほかの四人の天使が長い松明を掲げて見守っています。キリストの亡骸をじっと見つめさせるこうした図像は、対抗宗教改革期のローマで好まれ、ツッカリ兄弟もその信仰の空気のなかにいました。構図を考え出したのは兄のタッデオで、1566年に亡くなったとき、同じ主題の板絵に取り組んでいる最中でした。弟のフェデリコはその後、ファルネーゼ家のカプラローラの館の仕事を引き継ぎ、兄の構図もほぼそのまま繰り返しました。この画布は長く兄の作とされてきましたが、現在では柔らかく霞んだ色調から、すべてフェデリコの手になるものと考えられています。体の据え方は、同じ美術館にあるラファエロの「キリストの埋葬」を思わせます。