
Peter Paul Rubens · PD
酔えるバッカスと牧神・サテュロス
作品情報
ストーリー
1845年、ニューヨークの論客ジョン・オサリヴァンは、合衆国が西へ領土を広げるのは天命だと説いて「マニフェスト・デスティニー」という言葉を生み出した。その彼が1854年から1858年まで駐ポルトガル公使としてリスボンに赴任し、現地の個人コレクションから買い取ったのが、この銅板に描かれた小さな絵である。酔ったバッカスを、牧神ファウヌスとサテュロスが両脇から支えている。オサリヴァンは1860年ごろこれをハードキャッスル夫妻に譲り、1879年、ボストン美術館が夫の遺産から500ドルで購入した。美術館がコプリー・スクエアに最初の建物を開いて、まだ三年目のことだった。長くルーベンスの作とされてきたが、現在の美術館は、名の伝わらない追随者がルーベンスの様式で描いたものとし、制作年は示していない。銅板は、アントウェルペンの画家たちが細密な小品を描くときに好んだ支持体だった。

