冨嶽三十六景 凱風快晴

冨嶽三十六景 凱風快晴


作品情報

アーティスト
葛飾北斎
制作年
1831
技法
錦絵(木版多色摺)、紙
種類
浮世絵版画
寸法
24.4 × 38.1 cm

ストーリー

題名の凱風快晴は、南から吹くおだやかな風と晴れわたった空を意味する。凱風は中国の古い詩に由来する言葉で、初夏の風とされる。描かれているのは富士だけで、山頂にはまだ雪の筋が残り、山肌は朝日に赤く染まり、上空には小さな鱗雲が列をなす。冨嶽三十六景のなかで人物がまったく登場しない、ごく数少ない図の一つである。版木は一度彫られただけだが、摺りのたびに少しずつ仕上がりが違った。版元の工房で、摺師がそのつど手で色を版木に置いたからである。山が柔らかな茶色がかった橙色で、空も淡い摺りがある一方、このボストンの一枚は色の強い部類で、深い赤が深い青に映える。何度も摺られた版の一枚であり、ボストン美術館はこの図の摺りを六枚所蔵している。そのうち一枚は青の異版として登録されている。

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