
Anthony van Dyck / Manner of Peter Paul Rubens · PD
聖人の頭部習作(聖ゲオルギウス?)
作品情報
ストーリー
天を仰ぐこの頭部には、これまで三つの名前がつけられてきました。19世紀の売立目録の切れ端がいまも板の裏に貼られていて、そこでは十字架を見上げる聖ゲオルギウスとされています。1869年にこの絵をルーヴルに遺贈したパリの医師ルイ・ラ・カーズは、見事な聖ヨハネだと書きました。現在の題名は「聖人の頭部習作」で、聖ゲオルギウスかもしれない、と添えられています。ルーベンスはこうした頭部の習作を工房に置き、大きな祭壇画に繰り返し使いました。この上を向いた顔も、1616年から1620年ごろの宗教画にいくつも現れ、いまリヨンにある作品にも登場します。ただ、この板絵を誰が描いたかははっきりしません。かつては若いヴァン・ダイクの作とされ、いまルーヴルは「ルーベンスに基づく」と表示しています。細やかで軽快な筆致は、敬意をこめた18世紀の模写である可能性さえ示している、と美術館は記しています。



