
Wassily Kandinsky · PD
即興19a
作品情報
ストーリー
自然と芸術とでは目的が、したがって手段も、本質的に異なり、しかも同じだけ大きく、同じだけ強い。そう悟るまでに長い年月がかかった、とカンディンスキーは回想録に書いている。1911年のこの「即興19a」は、その考えが行き着いた先を見せる。色は豊かなのに、画面全体には戦いのような暗い調子がかかっている。それでも探せば何かが見つかる。左奥の尖った青い形は山を思わせ、ムルナウ周辺の風景の遠い記憶かもしれない。右上の丘の縁では二人の人物が身をかがめ、さらに二人が何かを手渡している。手前では暗い黄色の形が噴き上がり、急流のように落ちていく。アメリカの研究者ローズ=キャロル・ワシントン・ロングは、こうした半ば隠された図像を「隠されたイメージ」と呼んだ。




