
Wassily Kandinsky · PD
即興31(海戦)
作品情報
ストーリー
題の後半にある「海の戦い」が、この画面の入口になる。中央で向き合っているのは二隻の帆船で、細い黒の線が何本も立ち上がっているのがマストにあたる。一度そう見えると、波のうねりも、白くほどけた煙らしい塊も、順に読み取れてくる。
1913年、カンディンスキーはこの種の画面をいくつも描いていた。船の戦い、大洪水、馬に乗った者たち。いずれも『ヨハネの黙示録』が語る世界の終わりの情景と結びつけて考えられており、この作品を所蔵するワシントンのナショナル・ギャラリーも、主題をその線で説明している。
ただし本来の題は《インプロヴィゼーション31》のほうである。番号と音楽用語だけが残る題は、何が描かれているかを見分けることがこの絵の目的ではないと告げている。縦145センチ、横120センチの画面で、第一次世界大戦が始まる前年のミュンヘンで描かれた。




