
デルフトの旧教会内部
作品情報
ストーリー
デルフトの旧教会の床に、墓穴がひとつ開いている。右下では床石がはがされ、掘り返された土にシャベルが立てかけてある。1660年代のオランダの教会では、見慣れた光景だった。家族は教会の床下に墓所を買い、柱に掛かる菱形の紋章板、つまり忌中紋章は、裕福な市民の葬儀のあとに掲げられた。
ヘンドリック・ファン・フリートがこの眺めを描いたのは1665年より後のことである。視線は暗いアーチをくぐり、太い円柱の脇を抜けて白く塗られた堂内へ入っていく。左手では少年たちが床にしゃがみ込み、男女が犬を連れて歩いている。作品はマウリッツハイス美術館の所蔵で、ウィレム5世ギャラリーに掛かっている。1675年10月、ファン・フリート自身が旧教会に葬られ、その七週間後、同じ教会にヨハネス・フェルメールが葬られた。