
Titian, John Frederick, Elector of Saxony, 1550. Wikimedia Commons. · PD
ザクセン選帝侯ヨハン・フリードリヒ
作品情報
ストーリー
1547年、ミュールベルクの戦いでカール5世はシュマルカルデン同盟を打ち破り、新教側の指導者のひとりザクセン選帝侯ヨハン・フリードリヒは皇帝の捕虜となった。数年後、アウクスブルクの帝国議会の折に、この囚われの身の公が勝者の宮廷画家ティツィアーノのために座った。注文したのはハンガリー女王マリアである。ティツィアーノは彼を二度描いた。プラドの版では鎧をまとい、頬には戦いの生々しい傷が残る。ここウィーンの版では傷は癒え、平服の姿で、画布いっぱいを占める巨躯の男として現れる。敗北も彼を屈服させきってはいない。かつて帝国選帝侯であった者の重々しい落ち着きをもって、なお正面を見据えている。




