
Wassily Kandinsky · PD
草の上に座る婦人
作品情報
ストーリー
ポンピドゥー・センターの記録には、この小さな油彩のもう一つの題名が残されています。「コッヘルのメールソン嬢(白と赤)」。高い草の中、水辺に腰を下ろす赤い上着の女性は、カンディンスキーの教え子だったロシア出身の若い画家、オリガ・メールソンだと考えられます。カンディンスキーはミュンヘンで小さな絵画学校「ファランクス」を率い、1902年の夏には生徒たちをバイエルン・アルプスのふもとの村コッヘルへ連れ出して、戸外で制作させました。作品は高さ32センチほどの、布を張った厚紙に、絵具を厚く盛って描かれています。メールソンはその数年後パリに移ってマティスに学び、1911年にはコリウールで二人が互いの肖像を描きました。やがてトーマス・マンの妻の兄ハインツ・プリングスハイムと結婚してベルリンに住み、1930年にその地で亡くなりましたが、画家としてはほとんど忘れられていました。2025年、ムルナウの城博物館が彼女の展覧会を開いています。




